治験の種類

新薬の候補や、すでに販売されている薬を対象に治療効果と安全性を調べることを治験といいます。

ひと口に治験といっても様々な種類があります。募集している治験にはどんな種類があるのかみてみましょう。

治験で使う、治療効果が期待される薬の候補や、比較のために使うプラセボ(偽薬)を『治験薬』と呼びます。
治験によってはすでに販売されている薬が対象になる場合もありますが、今回は新薬の種類を紹介していきます。

内科の病気に多いもの

多くの製薬会社が行っているのは生活習慣病のような多数の患者さんがいるものです。

1.糖尿病

国内だけで3,000万人以上が有病者とその予備軍であると言われている糖尿病は生活習慣病の中でトップに位置し、
新薬の開発と治験が多く実施されています。

飲み薬タイプの糖尿病用薬の治験は多くあり、食事療法と運動療法と合わせて実施される薬物療法の新薬治験になります。
対象となる方は既に治療中の糖尿病にかかっている方が中心となります。

2.高血圧

高血圧やメタボリックシンドロームは糖尿病に次いで患者数が多いため、治験の募集が多いです。

高血圧の患者は800万人以上存在していると言われており、正常血圧の値を超えている場合、さまざまな合併症が引き起こされてしまいます。

高血圧の治験は血圧を下げるための降圧剤に関するものが実施されています。
対象者は既に高血圧で治療を始めている方のみではなく、健康な方も参加できる治験もあります。

3.メタボリックシンドローム

高血圧のほか、内臓脂肪型肥満が認められる、高血糖、脂質異常などは『メタボリックシンドローム』と呼ばれます。

メタボリックシンドロームは単に太っていることを指すのではありません。

・腹部肥満
・中性脂肪、HDLコレステロール値
・血圧
・血糖値 が診断基準とされています。

上記の3つ以上の症状を合併している状態を指すため、『内臓脂肪症候群』と呼ばれています。
生活習慣を見直す(運動不足や偏った食事など)ことで予防ができるため、患者さんの意識改善が呼びかけられています。

メタボリックシンドロームは動脈硬化を促進します。
2次障害として心臓病や脳卒中といった命にかかわる病気のリスクを高めてしまうことが怖いところです。

治験では、複数の要因が重なっていることが多いメタボリックシンドロームの方が参加できる可能性の高い(高血圧症や糖尿病、肥満症)治験があります。

整形外科の病気

以外に思われるかもしれませんが、整形外科の病気でも数多く治験の募集がされています。

骨粗しょう症の治験は募集も多く人気があります。
カルシウムやビタミンDが不足することで骨がもろくなり、骨折しやすくなってしまう骨粗しょう症は、既に骨粗しょう症を発症している高齢者や女性の方を中心に募集しています。

女性によく見られる病気であり高齢になるほど患者数が増えます。
治療薬に使われるのはカルシウムの吸収を増大させる働きをもつ活性型ビタミンD3や、骨密度を増加させるエストロゲンなどが用いられます。

他にも高齢の女性に多い病気として、変形性膝関節症という病気があります。
膝の痛みなどで気付く場合が多い変形性膝関節症は、膝関節でクッションの役割をする軟骨がすり減る病気です。

肥満体型の女性に多く、O脚ぎみの方も多いと言われています。
はじめは膝に違和感を感じる程度ですが、病気の進行により強い痛みを感じるようになるとともに歩行が困難になるなど深刻な症状になります。

主な治療方法は2つあり、1つ目は膝の炎症を薬で緩和しながら運動療法を行い、症状を進行させないようにする保存療法。
2つ目は変形した関節のでっぱりの除去や、人工の関節と取り替える手術療法があります。

変形性膝関節症の治験では、保存療法の際に使用する飲み薬や軟膏などの治験が中心になります。