どんな病気?

血圧が正常値を超えて高くなる病気。動脈硬化で血管の内腔が狭くなったり、塩分をとりすぎて血管を流れる血液の量が増えたり、精神的なストレスで血管が収縮したりすると、血管壁に余分な圧力がかかって血圧が高くなる。年齢とともに動脈硬化は進むので、誰でも多少血圧はあがってくるが、高血圧の90%以上は「本態性高血圧」といって、遺伝的な体質に、塩分のとりすぎ、肥満、お酒の飲みすぎなどの悪い生活習慣が重なって起こる。
ちなみに血圧とは、血液が心臓から押し出され、全身の血管をめぐって再び心臓に戻されるときに血管の壁にかかる圧力のこと。心臓が収縮して血液を送り出すときに圧力は最大に(最高血圧、収縮期血圧)、収縮した心臓がもとの大きさに拡張するとき圧力は最も低くなる(最低血圧、拡張期血圧)。

検査・診断

血圧の正常値は、130~85 mm/Hg。理想的な血圧は120~80 mm/Hg。上か下のどちらか一方でも高ければ正常範囲には入らず、高血圧と診断される。4年前までは正常値が140~90mm/Hgと設定されていたが、大規模な臨床データによって、かつて正常とされていた血圧の人にも脳卒中や心筋梗塞が多く起きていることがわかったため、より厳しい基準に改正された。
血圧は常に一定なものではなく、さまざまな影響を受けて刻々と変動している。1日のうちでも朝は高く、昼間はさらにあがって夜は低くなるなどの日内変動がある上、温度変化や精神的な緊張があると高くなる傾向がある。「白衣性高血圧」と呼ばれるように、病院で測ってもらうと、緊張して高くなる傾向があるので、自分の血圧を正しく知るには、血圧計を用意して自宅でリラックスしたときに測ることが必要。朝食前と夕食前の1日2回測るのが理想だが、無理な場合は朝だけでもよい。常にほぼ同じ時間に同じ条件で測ることが大切だ。さまざまなタイプの血圧計が市販されているが、測る部位によって血圧は違うので、病院で使われているのと同じ上腕部で測るタイプを選んだほうがよいとされる。

治療

最初の2~3ヶ月は生活習慣の改善で血圧を下げるよう指導されるのが一般的。それでも下がらない場合は少しずつ薬を使い始め、時間をかけてコントロールしていく。ただ、初診時にすでに200 mm/Hgを超えるほど高い場合は、最初から薬を使うこともある。
まずは、減塩、減量や節酒、運動もプラスしてトータルでの生活改善を進めたい。減塩食といっても、味噌汁は具だくさんにして汁の分量を減らす、レモンやお酢、スパイスを利用するなど、おいしくできる方法はいろいろあるので工夫を。アルコールの量を減らす、体重を減らす、有酸素運動を1日30分以上やることも効果的だ。精神的なストレスや睡眠不足は血圧に大きな影響を与えるので、ゆとりのある生活を心がけることも大切。
降圧剤には、利尿作用によって体内の水分を減らして血圧を下げるもの、血管を拡張するもの、自律神経に作用して血圧を下げるものなど、いろいろなタイプがある。これらの中からいくつかの種類を少量ずつ処方されるのが一般的。長年の研究の結果、一種類の薬を多量に使うよりも、数種類を組み合わせて、1つの薬の量を少なくするほうが効果が高く、副作用が少ないことがわかっているためだ。「同じ血圧の薬なら全部飲む必要はないだろう」などと自己判断で薬を減らすとかえって危険なので注意したい。