どんな病気?

C型肝炎は肝臓の病気です。一般的に肝臓は生命維持に必要な機能のおよそ2倍から4倍の能力があると言われています。
この予備能力があるため肝臓に病変があっても重症化するまでは自覚症状が出ないため「沈黙の臓器」と言われています。
我が国のC型肝炎のキャリアは100万人とも200万人とも推定されており、自覚症状のない人が多いため、きちんと検査を受けることで病気を早く発見することが大切になってきます。近年、C型肝炎から肝硬変、あるいはがんへと移行するケースがあることが知られています。

自覚症状が少ないC型肝炎では急性期においても自覚症状が見られる人は20%~30%です。症状としては全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐などです。
黄疸が現れることもあります。また肝臓の腫れが見られることもあります。C型肝炎ウイルスに感染すると多くの場合、慢性肝炎になると言われており、感染の有無は健康診断や献血などの血液検査でわかる場合がほとんどです。
また、一度治ったように見えても10~20年経ってから症状が現れ、診断を受けた時にはすでに肝硬変になっていたということも珍しくありません。
早期発見と早期治療のために検査は定期的に受けるようにしましょう。

C型肝炎の特徴

1. 血液を介して感染する。
2. A型、B型に比べ、急性期には症状が軽い。
3. C型肝炎の多くが慢性化する。
4. 慢性化した場合、自然治癒はまれである。
5. 進行すると肝硬変、肝がんになる場合がある。

原因

C型肝炎の原因はウイルスです。
血液を介して感染します。感染経路として最も多いのは輸血で、全体の4割ほどと高い割合になっています。現在では献血をした際にもC型肝炎ウイルスの有無も検査されるようになったため、その割合は大幅に減少しています。
現在の主な感染経路は次の通りです。
なお、C型肝炎のウイルスは、くしゃみ、咳、抱擁、食器やコップの共有などの日常生活の中での接触で感染することはありません。

C型ウイルスの感染経路

1. C型肝炎ウイルスの含まれる血液の輸血
2. C型肝炎ウイルスに感染している人と注射針や注射器を共有した場合
3. C型肝炎ウイルスに感染している人の血液が付着した注射針などを誤って刺してしまった場合
4. C型肝炎ウイルスに感染している人に使用した器具を適切な消毒などを行わずに共用し、刺青やピアスを行った場合
5. C型肝炎ウイルスに感染している人と性行為を行った場合(ただし、感染はまれである)
6. C型肝炎ウイルスに感染した母親から生まれた子供の場合(ただし、感染はまれである)

次のような場合はC型肝炎ウイルスに感染しない

1. C型肝炎ウイルスに感染している人と握手した場合
2. C型肝炎ウイルスに感染している人の隣に座った場合
3. C型肝炎ウイルスに感染している人と抱き合った場合
4. C型肝炎ウイルスに感染している人と食器やコップを共有した場合
5. C型肝炎ウイルスに感染している人とキスをした場合(唾液では感染しません)
6. C型肝炎ウイルスに感染している人と一緒に入浴した場合

検査・診断

C型肝炎の診断は血液検査で行います。ほとんどの病院や診断で検査が可能です。
血液検査でC型肝炎ウイルスの抗体を調べることにより感染しているかどうかを判定します。

検査の項目
ALT(GPT) ・ AST(GOT) 肝細胞の破壊によって増加する酵素の数値を見ます。
肝細胞の破壊の程度によって数値が高くなります。

検査を受けた方が良い人

1. 平成4年(1992年)以前に輸血を受けた人
2. 長期にわたり血液透析を受けている人
3. 輸入非加熱血液凝固因子製剤を投与された人
4. 輸入非加熱血液凝固因子製剤と同等のリスクを有する非加熱凝固因子製剤を投与された人
5. フィブリノゲン製剤(フィブリン糊としての使用を含む)を投与された人
6. 大きな手術を受けた人
7. 臓器移植を受けた人
8. 薬物乱用者、刺青をしている人
9. ボディーピアスを施している人
10. その他、過去に健康診断などで肝機能の検査の異常を指摘された人(肝炎の検査を実施していない人)

治療

C型肝炎ウイルス抗体が陽性であることがわかった場合、精密検査が必要になります。C型肝炎ウイルス核酸検査を受け、感染の有無を判別します。
と、同時に血液中の肝酵素(ALT)の値を測定します。肝臓に炎症がある場合、数値が上昇します。検査の結果慢性肝炎であることがわかった場合は治療が必要になります。

肝機能検査が正常値の場合でもC型肝炎ウイルスに感染している場合があります。C型肝炎の患者さんの肝酵素(ALT、AST)の数値は変動します。その場合定期的に再検査をします。

薬物治療

C型肝炎と診断された場合、インターフェロンと呼ばれる抗ウイルス剤や肝臓を守る薬などで治療が行われます。

インターフェロンの効果と副作用

効果 治療で効果を上げるのは全体の3割ほどです。インターフェロンはウイルスの遺伝子型や量によって効果に差が出ます。

副作用 発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感、食欲不振など
これらの副作用は治療を続けることにより軽減されます。ごくまれに「うつ」状態になることがあります。

副作用を軽減する方法 担当医に詳しく話すことが大切です。副作用の一部はインターフェロンを夜に投与する、薬を減量するなどにより減らすことができます。

その他の抗ウイルス治療

リバビリン 欧米ではインターフェロン単独での治療に加えリバビリンを併用することにより効果が上がることがわかっています。平成9年から日本でも臨床試験が始められ、平成13年に厚生労働省の承認を得ましたので今後の治療において用いられることになりました。

ペグインターフェロン 作用の持続するインターフェロンとして国内でも臨床試験が行われています。通院回数の軽減やインターフェロンの効果の向上が期待されています。

抗炎症療法(肝庇護療法)

インターフェロンなどの抗ウイルス治療で効果が見られない場合や副作用によりインターフェロンが使用できない場合に抗炎症療法が行われます。

治療にあたっては必ず専門医にご相談ください。

予防

日常生活で注意することには次のようなものがあります。
1. 飲酒を控える。
2. 定期的に医療機関を受診する。
3. 主治医が処方した薬を勝手にやめたり、処方された以外の薬を無断で服用しない。
4. C型肝炎にA型やB型肝炎を併発するとさらに肝臓に負担がかかります。C型肝炎に感染している人はA型及びB型肝炎のワクチン接種が有効です。
5. 皮膚に傷ができた場合は傷を覆うようにする。
6. 歯ブラシ、カミソリなど血液が付着する可能性のあるものを他の人と共有しない。
7. 鼻血、月経血などは自分で処理する。
8. 性行為によるC型肝炎ウイルスの感染はまれとされているが、パートナーの方にもC型肝炎の検査を受けることをすすめるようにしてください。
9. 献血をしない、臓器や組織を提供しない、性液を提供しない、など。