どんな病気?

子宮筋腫とは子宮の筋肉の一部が変化してできる良性腫瘍を言います。筋腫は良性腫瘍の代表的なものです。悪性の場合は転移と言って周囲の細胞を破壊しながら広がっていきますが、良性腫瘍の場合、他の細胞を破壊することはありません。成人女性の4人に1人に見られると言われるほど頻度の高い病気で30~40代の女性に多く見られます。

◎子宮筋腫の種類

1. 筋層内筋腫 子宮筋層内にできる筋腫。小さいうちはほとんど自覚症状もない。大きくなると過多月経や圧迫症状などを引き起こす。筋腫のできる場所によっては不妊や流産の原因となる場合もある。

2. 粘膜下筋腫 子宮内膜の下にできる筋腫。子宮の内側に向かって大きくなる。小さな筋腫でも過多月経などを起こしやすく、小さいものでも流産や不妊の原因になりやすいため手術が必要になることが多い。子宮筋腫の中では最も症状が重い。

3. 漿膜(しょうまく)下筋腫 子宮の外側を覆う漿膜の下にできる筋腫。子宮の外側に向かって大きくなる。無症状のことが多い。筋腫が大きくなるとしこり、下腹部痛、腰痛、頻尿などの圧迫症状を起こす。筋腫がねじれると急激な腹痛が起こる。

◎子宮筋腫の症状は?

筋腫が小さく、症状がない場合は特別な治療の必要はありません。しかし、筋腫が大きくなると様々な症状を引き起こすことがあります。
子宮筋腫の3大症状と言われるものは過多月経、月経痛、不妊です。

・過多月経 月経の期間が10日以上続いたり、月経時に大量の出血がある
・月経痛 月経時に強い痛みを感じる
・不妊・流産 子宮内膜の血液のめぐりが悪くなる。受精卵が着床しづらくなる。
・圧迫症状 筋腫の増大により子宮や下腹部などが圧迫される。便秘や頻尿、下    腹部痛や腰痛になったりする。
・貧血 過多月経による大量の出血で鉄分が不足するために起こる。動悸や息切れ、ふらつきやめまいなどの症状が出る場合もある。

原因

子宮筋腫の発生原因は不明です。しかし近年の研究では卵巣から作られるホルモンのひとつエストロゲンが、発生した子宮筋腫を成長させることが明らかになりつつあります。
女性の性成熟期である30~40代に多く作られるエストロゲンと子宮筋腫の発生が多く見られる年代はほぼ一致しており、閉経後は筋腫が縮小する傾向があります。

検査・診断

子宮筋腫は定期健診などで早期に発見することで適切な治療を受けることができます。子宮筋腫の診断のための検査は基本的に問診、内診、超音波検査で行われます。それでもわからない場合、さらに詳しい検査を行います。

1. 問診 自覚症状、月経の状態、妊娠、出産、中絶経験の有無、既往症などを調べます。
2. 内診 直接性器を触診します。子宮の形やでこぼこなどもわかり、粘膜下の筋腫などは発見することが容易です。
3. 超音波検査 超音波で体内の様子を映し、画像で診断します。筋腫の大きさや数もある程度特定できます。
4. MRI検査 磁気を使った検査。体内の様子を詳細な画像にして調べます。
5. CT検査 X線を用いた装置で体内の様子を詳細な画像にして調べます。
6. 血液検査 血液の検査です。赤血球やヘモグロビンの数値を調べ子宮筋腫による貧血がないかどうか調べます。合併症の有無も調べます。

治療

子宮筋腫の治療法はいくつかあり、症状に応じて経過観察、薬物療法、手術療法を行います。

・経過観察 症状もなく、筋腫も小さい場合は経過観察を行います。特別治療は必要ありません。経過観察は基本的に半年に1度のペースで行いますが、筋腫が成長している時は3ヶ月に1度、
ほとんど成長がない場合は1年に1回程度というふうに個人の症状に応じて変わってきます。しかし、体に異変を感じた場合は検診日以外でもなるべく早く受診するようにしましょう。

・薬物療法 対症療法として鉄剤や鎮痛剤を用いる場合と、ホルモン剤を用いて体を一時的に閉経状態にし、エストロゲンの分泌を抑制し筋腫を小さくする偽閉経療法があります。いずれも根治療法ではありませんが筋腫によって引き起こされている不快な症状を緩和することができます。

・手術療法 病気を根本的に治療したい場合、薬物療法では症状が抑えきれないなどの場合に行います。

A. 子宮筋腫核出術 筋腫のみを摘出し、卵巣などは残す手術。不快な症状が高い確率で治り、手術後も妊娠、出産が可能だが再発の可能性も高いです。
B. 子宮全摘術 子宮をすべて摘出する手術。筋腫によって引き起こされていた症状は完治し、再発もないが妊娠、出産は望めなくなる。

※治療にあたっては必ず専門医とよくご相談ください。