どんな病気?

閉経(日本人の平均約50歳)をはさんで前後10年間くらいの間に起こる、さまざまな不定愁訴のこと。ほてり、発汗、疲れ、だるい、心臓がドキドキする、イライラ、不安、気分の落ち込み、膣の乾燥、性交痛など、ありとあらゆる症状が現れるため、更年期障害と気づかない人も。卵巣の働きが急激に低下して、女性ホルモンの分泌が激減するために起こるものだが、更年期障害は自分で気づかないほど軽い人から、寝込むほど重症な人まで個人差が大きく、まったく経験しない人もいる。

検査・診断

自覚症状の種類と、その程度から点数をつけていくチェック表を使って、症状を客観的にみた上で、トータルで50点を超えると治療が必要とされている。ただし、症状の感じ方には個人差があるため、本人にとって辛く、日常生活に支障があれば、治療の対象となる。
なお、更年期特有の月経不順のために、子宮がんの不正出血を見逃す恐れがあるため、検診を受けていない人は、念のためにチェックを。ほかにも別の病気が隠れていないかどうか、症状に応じて必要な検査を行う。

治療

症状が軽ければ、食事、運動、リラクゼーションなど日常生活上の工夫で解消されることも多い。精神的な症状が強い場合には、カウンセリングも有効。親の介護や夫の定年、子どもの進学や結婚など、問題が多い年代だけに精神的負担も大きくなりがち。ストレスを上手にコントロールするためには、家族の協力も大切なポイントになる。
薬物療法では、対症療法的に、精神安定剤や漢方薬を使う方法と、更年期障害の原因を取り除くホルモン補充療法(HRT)がある。HRTには、おもに、エストロゲンとプロゲステロンを周期的に飲んで、定期的に月経のような出血を起こす「周期投与法」、エストロゲンとプロゲステロンの両方を毎日飲み続ける「連続投与法」、作用の弱いエストロゲンを単独で飲み続ける「エストロゲン単独投与法」の3種類があるが、ホルモンに対する感受性は個人差が大きいので、症状にあわせて微妙な調整が必要になる。スムーズにコントロールするためには、医師との十分なコミュニケーションが不可欠になるため、長くつきあえる主治医を選びたい。