どんな病気?

卵巣にできる良性の腫瘍で、おもに(1)サラサラした液体がたまる「ショウ液性のう腫」、(2)ネバネバした粘液がたまる「粘液性のう腫」、(3)歯や髪の毛などの組織がたまる「皮様のう腫」の3タイプがある。卵巣が腫れるため、下腹部が重苦しく感じる場合もあるが、多くは無症状。通常は2~3㎝ほどの卵巣が、握りこぶしくらいまで大きく腫れても気づかないこともある。気づかずに放置すると、卵巣の根元がねじれる「茎捻転」を起こし、激痛のため救急車で運ばれるケースもある。

検査・診断

自覚症状が乏しいため、婦人科検診や妊婦検診などで偶然みつかることが多い。内診と超音波検査を行うと、卵巣が腫れているかどうか、どのタイプの卵巣のう腫か、だいたいわかる。さらに血液検査で腫瘍マーカーを調べると、悪性の卵巣がんとほぼ区別がつく。ただし、卵巣は組織をとって調べることができない臓器なので、手術してみないとわからないもの。悪性との鑑別は慎重に行うことが重要。

治療

のう腫の大きさが5㎝を超えたら手術を勧められることが多い。茎捻転を起こすと、卵巣への血流が止まり、卵巣全体が壊死してしまうため、緊急手術で摘出することになる。その前に落ち着いた状態のときに手術を受ければ、のう腫部分のみを摘出し、正常な部分の卵巣を残すことができる。卵巣は片側のほんの一部でも残っていれば、排卵し、ホルモン分泌機能も果たすので、なるべく落ち着いた状態で手術を受けたほうがよい。手術はお腹に小さな穴を開けて行う腹腔鏡下手術が多いが、悪性の疑いがある場合には、慎重を期して開腹手術を行うのが一般的。 妊娠中にみつかった場合も、茎捻転を起こす危険性を考え、妊娠4ヶ月に入ってから手術することが多い。