どんな病気?

「メタボリックシンドローム」の別名は「内臓脂肪症候群」。
内臓脂肪の蓄積により、糖尿病、高脂血症、高血圧のうちの2つ以上を重ねて発症している状態のことです。

内臓脂肪の蓄積を知るめやすとしてウエストのサイズが診断基準の一つになっています(男性85cm以上、女性90cm以上)

厚生労働省による平成16年の国民健康・栄養調査によると、メタボリックシンドロームが疑われる人の割合は、40~74歳で男性25.7%、女性10.0%ですが、さらに予備軍まで加えると、なんと男性では2人に1人、女性で5人に1人がメタボリックシンドロームもしくは予備軍と発表されています。

メタボリックシンドロームと生活習慣病

メタボリックシンドロームと言うと、まず思い浮かぶのはポッコリ出たお腹のイメージです。近年の研究によって、肥満症、高血圧、糖尿病、高脂血症は、それぞれが単独の病気というよりは、互いに影響しあって進行する病気であることが分かっています。
そして、その原因となるのが内臓脂肪の蓄積した「内臓脂肪型肥満」なのです。
メタボリックシンドロームは〝生活習慣病の温床〟と言っていいかもしれません。

さらに、メタボリックシンドロームになると動脈硬化が起こりやすくなります。
血管が硬く、血流も悪くなる動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる重大な病気を引き起こす原因になるのですから、決してあなどれません。

原因

メタボリックシンドロームの原因となる内臓脂肪の蓄積は、主に食生活の乱れと運動不足によって起こります。
食事が欧米化したことによるカロリーや脂肪のとり過ぎをはじめ、朝食抜き、夜食の食べ過ぎ、偏食といった悪い食習慣はありませんか?
さらに運動不足で基礎代謝が低下すると、内臓脂肪が徐々に蓄積されていきます。
そのほか、睡眠不足やストレス、飲酒、加齢、遺伝など、さまざまな要素が関係しています。

■内臓脂肪型肥満
・内臓とその周辺に脂肪が蓄積される
・男性に多い
・上半身肥満、「りんご型肥満」

■皮下脂肪型肥満
・皮膚の下に脂肪が蓄積される
・女性に多い
・下半身肥満、「洋ナシ型肥満」

検査・診断

メタボリックシンドロームが疑われる場合、問診、身体測定、血液検査、血圧測定、CT検査などの検査を行います。

・問診 
自覚症状、既往症、家族暦、生活習慣、服用している薬など

・身体測定
身長、体重

・血液検査
血糖値、中性脂肪、HDLコレステロールの測定など

・血圧測定
収縮期と拡張期の血圧測定

・CT検査
X線で腹部断面を撮影、内臓脂肪の面積を測定

[診断基準]

・ウエスト周り
男性 85cm以上
女性 90cm以上
(男女ともに内臓脂肪面積100cm2以上)

・血糖  空腹時血糖値 110mg/dl以上

・血圧  収縮期血圧(最高血圧) 130mmHg以上
     拡張期血圧(最低血圧) 85mmHg以上
(上記のいずれか、または両方)

・脂質  中性脂肪値 150mg/dl以上
HDLコレステロール値 40mg/dl未満
(上記のいずれか、または両方)

治療

メタボリックシンドロームの治療の基本は、食事療法・運動療法・生活習慣の見直しの3つです。
特に大切なのは食事療法と運動療法です。

■食事療法
食べ過ぎはメタボリックシンドロームの最大の敵です。自分の体格に見合った食事量を心がけましょう。
脂肪分はもちろん、塩分や糖質のとり過ぎにも注意が必要です。肉を脂肪の少ないものにしたり、魚や野菜、海藻など栄養バランスの良い
食事をしましょう。1日3食きちんと食べること、間食や夜食もできるだけ減らすことが大切です。

■運動療法
メタボリックシンドロームの原因である内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて運動すると減少しやすいことが分かっています。

内臓脂肪を減少させるのにおすすめの運動は、軽いジョギング、ウォーキング、サイクリング、エアロビクスなどの有酸素運動です。
同時に筋トレで筋肉量を増やして基礎代謝を上げることで、より効果的に脂肪を燃焼させることができると言われています。
運動は、必ず医師の指導を受けて行いましょう。

■生活習慣の見直し
・禁煙
喫煙者は、タバコを吸わない人に比べ、メタボリックシンドロームのリスクが1.5~3倍あります。

・飲酒を控えめにする
飲み過ぎは、カロリーのとり過ぎにつながります。
最低でも週2日は飲酒を控えたいものです。

・ストレス解消
スポーツやカラオケなど、好きなことで楽しくストレスを解消しましょう。

メタボリックシンドロームの治療は、必ず専門医に相談の上、行いましょう。