どんな病気?

不眠症は睡眠障害の1種で、睡眠による休養が不十分なため、体がだるく仕事がはかどらない、日中に居眠りをしてしまうなどの日常生活に支障をきたすものです。
周囲からはやる気がないのではと思われてしまうなど、社会生活を送る上で様々な問題が起きてきてしまいます。
厚生労働省が行った調査では5人に1人が「よく眠れていない」と回答しています。

不眠症とは、
1. 寝つきが悪い
2. 睡眠中に何度も目が覚める
3. 眠りが浅く、熟睡できない
4. 早朝に目覚めてしまう
などといった症状が長引いているものを言います。

しかし、睡眠には個人差もあり、7時間以上眠っている人でも「眠れない」と感じている人もいれば、3~4時間の睡眠でも平気な人もいます。

不眠症には幾つか種類があります。枕が変わると眠れないなど、普段と違う環境で一時的に眠れなくなるものは一過性不眠といい、
1~3週間の間不眠が続くものを短期不眠と言います。これらは原因がわかれば改善することができ、治療は必要ない場合が多い睡眠障害です。
しかし、1ヶ月以上続く長期不眠は他に原因が隠れていることも多く、適切な治療を受ける必要があります。

長期不眠の種類
1. 入眠障害 眠ろうとしてもなかなか眠れない
2. 中途覚醒 眠りが浅く、途中で何度も目が覚める
3. 熟眠障害 睡眠時間は十分でも眠りが浅く、満足な睡眠がとれていない
4. 早朝覚醒 起きようと思う時間より早く目が覚める。高齢者に多い。

原因

不眠の原因として考えられるのは次のようなものです。

1. 環境要因
騒音や車、工事などの音、暑すぎる、寒すぎる、
明るくて眠れない、家族のいびきや歯軋りがうるさい、など

2. 生理的原因
深夜勤務などや海外旅行時などの時差ぼけ

3. 心理的原因
ストレス、悩み事、心配事などの不安を抱えている場合

4. 器質的疾患
睡眠時無呼吸症候群など何らかの身体症状が原因の不眠

5. 精神疾患
うつや不安障害などの精神的な病気による不眠

このような原因が不眠を生じさせていますが、子供から大人まで不眠を訴える背景には現代の社会におけるストレスの多さに原因があるようです。
24時間動き続ける社会が当たり前になり、昼夜のリズムが無視されることにより人が本来持っている体内時計のリズムが保てなくなっているのです。
つまり不眠とは現代社会が抱える病とも言えるのです。

検査・原因

不眠症の診断で大きなウエイトを占めるのは問診です。
受診の際は、可能なら起床時間や就寝時間の日記をつける、家族に自分の睡眠時の様子を聞くなどの準備をしておくと良いでしょう。

睡眠時のチェックリスト
1. 寝つきが悪い
2. 眠りが浅い
3. よく目が覚める
4. 金縛りがある
5. 眠ろうとするとふくらはぎや足先がむずむずする
6. いびきをかく
7. 歯軋りをする
8. 寝言を言う
9. 寝相が悪い
10. 日中だるくてやる気が起きない
11. 日中居眠りしてしまう
12. 不眠のことを考えてしまう
13. 昼夜逆転した生活をしている
14. お茶やコーヒーをよく飲む

不眠症の検査

ポリグラフ検査というものを行います。様々な装置を体につけて一晩眠り、
睡眠中の脳波や心電図、寝ている時の眼球運動や下肢やあごなどの筋肉の様子を筋電図で調べます。また、必要に応じて呼吸や換気、いびきなども記録します。検査により「睡眠時無呼吸症候群」「周期性四肢運動障害」などの診断もできます。他にも生体リズムを把握するために直腸体温計で体温の変化を見ることもあります。

治療

不眠の治療は大きく分けて4つあります。
1. 生活指導 睡眠環境を整える。食生活などの生活習慣の見直しと適度な運動
2. リラッックス療法 自律訓練法による脳波のコントロール
3. 精神療法 ストレスを軽減するための簡単な精神療法
4. 高照度光療法 睡眠や体温のリズムを人為的にずらす方法

不眠治療と睡眠薬

不眠が続く場合、睡眠薬の服用は効果が上がりやすい方法です。しかし薬に依存してやめられなくなってしまうのではないかと思い、薬による治療に抵抗や不安を感じる方もいらっしゃいます。
現在使用されている眠薬の多くは医師の指示通りに服用すれば長期間使用しても中毒症状が起こることはほとんどありません。

睡眠薬の種類
A. 超短時間型 服用すると作用がすぐに現れます。効き目は短時間です。寝つきが悪い場合に用いられる。
B. 短時間型 作用が比較的早く、入眠障害、熟眠障害に用いられる。
C. 中間型 効き目が現れるまでやや時間がかかるが持続時間が長い。早朝覚醒などの場合に用いられる。
D. 長時間型 うつなどに伴う不眠に用いられる。

他にも体内時計のリズムを整える作用のある睡眠薬もあります。
薬局などで手に入る睡眠薬もありますが、病院で処方されるものとは違うため、
必ず専門医に相談するようにしましょう。