どんな病気?

頭の、主に片側がズキンズキン、ガンガンと脈打つように痛むのが特徴です。痛む場所が左右変動したり、両側が痛んだり、さまざまなケースがあります。激しい痛みや吐き気をもよおし、仕事が手につかなくなる、寝込むなど、日常生活に支障をきたすほどの辛い頭痛です。
普段は気にならないような音や光に、過敏になる症状がみられることもあります。

また、頭痛の始まる30分から数時間前に「前ぶれ」を感じる人が多いのも特徴です。
目の前にチカチカと光が見える症状(閃輝暗点)や、首筋や肩の張りなどの前駆症状がある場合があります。

主な症状
・脈拍に合わせてズキンズキンと痛む。
・主に片側が痛むが、両側の場合もある。
・1回の頭痛が数時間から3日程度続く。
・数日から数週間おいて発作的に頭痛が始まる。
・30歳までに発症する場合が多い。
・親戚に似たような頭痛の人がいる。
・明け方から目覚める頃に発作が起きることが多い。
・頭痛の時に吐き気や嘔吐を伴なうことがある。
・頭痛の部分を強く圧迫すると痛みがやわらぐ。
・下痢や発熱の症状が現れることがある。

原因

偏頭痛が起きる原因には2つの説があります。

☆三叉神経血管説
顔面周辺の神経をつかさどる三叉神経が原因という説です。脳神経の中でも最も大きい三叉神経が、何かの刺激を受けることで血管を拡張させる神経伝達物質を分泌し、そのせいで拡張した血管や炎症が神経を刺激して痛みを起こすというものです。

☆血管説
頭の血管が拡張することで頭痛が起こるという説です。血小板から血管を収縮させる作用を持つセロトニンが放出され、1度は血管が収縮しますが、その後セロトニンが分解されるとともに、今度は血管の拡張が起こり頭痛が併発されるという説です。

検査・診断

偏頭痛の診断は、医師が患者さんを問診することにより行います。偏頭痛は血管が拡張することによって痛みが起こる病気なので、CTやMRIなどの検査で原因を確認することはできません。

診断基準
[前兆のある偏頭痛]

A.次のB~Dを満たす発作が過去に2回以上ある。

B.次のうち、少なくとも1項目を満たす。ただし、運動麻痺(脱力)は伴わない。
1.キラキラした光や点が見える、視覚が消失するなど、一過性の視覚症状がある。
2.チクチク感がある、感覚が鈍くなるなどの感覚症状がある。

C.次のうち、少なくとも2項目を満たす。
1.両目の左右同じ側の視覚症状、または片側の感覚症状、あるいはその両方。
2.次のうち1つ、または両方を満たす。
(a)少なくとも1つの前兆が5分以上かけて少しずつ進行する
(b)上記とは別の複数の前兆が引き続き5分以上かけて進行する。
3.それぞれの前兆が5~60分続く。

D.前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に【前兆のない片頭痛】の診断基準B~Dを満たす頭痛が起きる。

E.原因となる病気がほかにない。

[前兆のない偏頭痛]

A.次のB~Dを満たす発作が過去に5回以上ある。

B.頭痛発作が4~72時間持続する。
(治療を受けていない、または治療の効果がない場合)

C.次のうち、少なくとも2項目を満たす。
1.片側性頭痛
2.拍動性頭痛
3.中等度~重度の痛み
4.歩く、階段を昇り降りするなど、日常の動作により痛みが強くなる。

D.発作中、次のうち少なくとも1項目を満たす。
1.悪心と嘔吐のどちらか、または両方
2.光と音に過敏

E.原因となる病気がほかにない。

慢性頭痛診療ガイドライン(日本頭痛学会)より

治療

偏頭痛の治療は、主に薬物療法が中心となります。偏頭痛が出た時に服用する急性期治療薬と、偏頭痛が出にくいようにする予防薬の2種類です。急性期治療薬から始めて、症状の強さや回数に合わせて予防薬を使うのが一般的です。

主な急性期治療薬

・各種消炎鎮痛薬
軽症の場合に服用すると効果がある。連用によって薬物性頭痛を引き起こす可能性あり。

・エルゴタミン製剤
偏頭痛の前兆や前駆症状の現れた時に服用すると効果がある。
心疾患、血管障害の患者は使用できない。

・トリプタン系製剤
偏頭痛が出た後に服用すると、速やかに頭痛を改善する。
心疾患、血管障害の患者は使用できない。

主な予防薬

・カルシウム拮抗薬
・β遮断薬
・抗うつ薬
・抗てんかん薬(バルプロ酸)

予防

偏頭痛は、特定の誘発因子によって引き起こされやすいことが分かっています。誘発因子には、食べ物、環境、精神的ストレス、女性の場合では体内のホルモン濃度などが関わっています。日常生活でこれらを避ける工夫をすることで、偏頭痛の重さの度合いや回数を減らすことができます。

日常生活でできる工夫

1.寝不足、寝過ぎに注意する。
2.3食しっかり食べる(頭痛は空腹時に起こりやすいため)
3.チョコレート、赤ワインを避ける。
4.旅行中には、なるべく普段通りの生活を心がける。
5.生理の始まる前や生理の間に偏頭痛が起こりやすい人は予防薬を服用する。
6.ホルモン療法、経口避妊薬で偏頭痛が悪化した場合は治療を続けるか検討する。

どんな時に偏頭痛が起きたか、その時の状況や頭痛の強さを記録してみましょう。