どんな病気?

簡単に言うと、身長に対して体重が多すぎるのが「肥満」です。つまり、体脂肪が過剰に蓄積された状態のことです。
しかし、肥満だからと言って〝即病気が隠れている”〝危ない”というわけではありません。
高血圧や代謝異常など、必ずしも肥満の程度と比例しないという事が分かっています。
個々の肥満を、病的なものかそうでないか、医学的に判断する必要あるのです。医学的にみて減量治療必要な肥満を「肥満症」と呼びます。

肥満のタイプにご用心!

肥満を表すBMI(体格指数)が25を超えると、合併症の発症率が高くなります。しかし、研究によると「肥満者の合併症の発症は、体格指数(BMI)よりも体脂肪の分布の仕方により強い関連性がある」ことが明らかになっているのです。
つまり、体のどの部分に脂肪が多いかが、合併症を考える上で重要なポイントなのです。

主にお腹から上に脂肪が蓄積された肥満を「内臓脂肪型肥満」といいます。別名「りんご型肥満」とも呼ばれ、男性に多く見られる肥満です。
お腹から下、下半身に脂肪が蓄積された肥満を「皮下脂肪型肥満」といい、別名を「洋ナシ型肥満」と呼ばれています。
こちらは女性に多いのが特徴です。合併症を引き起こしやすいのは、「内臓脂肪型肥満」の方だと考えられています。

原因

肥満の原因は5つ

☆食べ過ぎ
体が消費するエネルギーよりも摂取するエネルギーが過剰になったとき、体脂肪が蓄積される。

☆食べ方
1日2食、または1日の食事量の半分以上を夜に食べる習慣が肥満につながる。

☆運動不足
運動不足で基礎代謝が低下しても、食習慣などは簡単に変わらないため、過剰なエネルギーが貯蔵されることになる。
インスリンの分泌状態も乱れやすくなり、代謝の状態が悪くなるので脂肪が蓄積される。

☆遺伝
遺伝的な理由で肥満になる人が、ごくわずかにいることが分かっている。
実際には、食事や生活スタイルなどの生活習慣が似ていることが原因だと考えられる。

☆熱産生障害
脂肪を燃焼し熱を産生する褐色脂肪細胞がきちんと働かない場合、貯蔵されるエネルギーが増えて肥満の原因になる。

検査・診断

肥満の基準は?

肥満であるかどうかは、体格指数(BMI)をもとに判定できます。

体格指数(BMI=body mass index)の出し方
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例)身長160センチ、体重65キロの人の場合
  57÷1.6÷1.6=25.4

BMIが25以上で、なおかつ内臓脂肪面積などをの条件にあてはまる場合、肥満症と診断されます。

治療

基本となるのは「食事療法」と「運動療法」の2つです。また「行動療法」によって具体的に生活指導を行います。これらの方法で十分な効果が得られない場合、補助的な手段として「薬物療法」を行うこともあります。そのほか「外科的治療法」もありますが、日本ではまだ一般的ではありません。

■食事療法

無理のない目標を決めて、確実に減量しましょう。

・目標を設定する(いつまでに・どのくらい)
・自分にあった摂取エネルギー量を知る。
・バランスの良い栄養素をとる。
・食習慣を改善する。
・食行動の問題点を考え、見直す。

食事療法のいろいろ

[減食療法]
1日1,200kcal程度 
普通の食事よりもエネルギー量を抑えた軽めの食事にして減量します。

[低エネルギー食療法]
1日600~1,000kcal程度 
減食療法よりも、さらに厳しくエネルギー量を制限する食事療法です。内容は、一般的なバランス食の場合と、エネルギーは制限してある栄養素を多くとる場合があります。

[超低エネルギー食療法]
1日200~600kcal程度 
摂取エネルギーを基礎代謝以下に低く抑えた「半飢餓療法」です。重症肥満者が対象です。

肥満症の治療は、必ず医師の指導のもとに行うことが大切です。

■運動療法
運動することにより基礎代謝が上がり、また、運動を継続することでインスリン感受性の増加によるインスリン作用の改善や、脂肪合成酵素の活性を抑制する効果などが期待できます。
肥満解消には、ウォーキングやランニング、エアロビクスなどの「有酸素運動」がおすすめです。

■行動療法
肥満症の人の場合、食習慣や生活習慣を、太りにくいライフスタイルに作りなおすことが大切です。普段の生活のどんな行動が肥満につがっているのかを知り、改善するのが行動療法なのです。具体的には「いつ」「どこで」「何を」「どれだけ」「何をしながら」食べたのかを記録して、自身の食習慣を見直します。

思い当たりませんか?
・お腹が空いていなくても食べてしまう。
・早食いである。
・何かをしながら食事することが多い。
・濃い味付けが好きである。

■薬物療法
食事療法と運動療法で十分な結果が得られない場合、薬物療法を行います。しかし、現在日本で承認されている薬は使用に厳しい制限があります(BMI35以上、使用期間3ヶ月以内など)
さらに多くの肥満症の患者さんが使える薬の開発がすすめられています。

■外科的療法
さまざまな内科的治療の効果がない場合や、1度減量しても再発を繰り返すなどの重症肥満の患者に対して行われます。外科的治療は、必要な分量の体重を確実に減少させることができるほか、合併症の治療にも効果があります。またリバウンドの確率が極めて低いことも大きなポイントの1つです。

肥満症が疑われる方は、まず専門医に相談することから始めましょう。