どんな病気?

脂質異常症とは血液の中の脂質(コレステロール、中性脂肪)が増えた状態を指します。自覚症状らしいものがないというやっかいな病気です。
糖尿病や高血圧に比べ、あまり怖い病気ではないという意識の人も多いので、放っておくと病気が進行し突然脳梗塞や脳動脈疾患、心筋梗塞などの重篤な疾患を引き起こすためサイレントキラーと呼ばれている怖い病気なのです。

脂質異常による合併症

脂質異常症は血液の中に脂質が増えた状態になっているため、血液の粘度が増しています。このような状態が長引くと血管の内壁に脂質がたまり、動脈の壁が厚く硬くなってしまいます。結果として心臓では狭心症や心筋梗塞、脳ならば脳梗塞などの命に関わる合併症を招くことが少なくありません。
コレステロール及び中性脂肪をためないように管理することが大切です。

原因

1. 高カロリー、高脂肪の食事
2. 甲状腺機能障害
3. 代謝異常(肥満、糖尿病)
4. 慢性腎不全などの腎疾患
5. ステロイドホルモン、経口避妊薬、アルコールなどの薬物

※これ以外の原因として原発性高脂血症があります。病気や薬の作用とは関係なくコレステロールや中性脂肪の値が高くなるものです。
遺伝的な原因があると考えられています。

内蔵肥満型の人や閉経後の女性はコレステロール値が高くなる傾向にあります。
動脈硬化などのリスクが高くなるため特に注意が必要です。

検査・診断

脂質異常症かどうかの診断は採血で行います。
12時間以上食事をとらずに採血をし、血中のLDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)の値を調べます。

診断基準(空腹時採血)
高LDLコレステロール血症は LDLコレステロールの値が140mg以上の場合
低HDLコレステロール血症は HDLコレステロールの値が40mg以下の場合
高トリグリセライド血症は 中性脂肪の値が150mg以上の場合

以上のような種類があります。

治療

基本となるのは「食事療法」と「運動療法」の2つです。また「行動療法」によって具体的に生活指導を行います。
これらの方法で十分な効果が得られない場合、補助的な手段として「薬物療法」を行うこともあります。
そのほか「外科的治療法」もありますが、日本ではまだ一般的ではありません。

■食事療法

無理のない目標を決めて、確実に減量しましょう。

・目標を設定する(いつまでに・どのくらい)
・自分にあった摂取エネルギー量を知る。
・バランスの良い栄養素をとる。
・食習慣を改善する。
・食行動の問題点を考え見直す。

食事療法のいろいろ

[減食療法]
1日1,200kcal程度 
普通の食事よりもエネルギー量を抑えた軽めの食事にして減量します。

[低エネルギー食療法]
1日600~1,000kcal程度 
減食療法よりも、さらに厳しくエネルギー量を制限する食事療法です。
内容は、一般的なバランス食の場合と、エネルギーは制限してある栄養素を多くとる場合があります。

[超低エネルギー食療法]
1日200~600kcal程度 
摂取エネルギーを基礎代謝以下に低く抑えた「半飢餓療法」です。重症肥満者が対象です。
肥満症の治療は、必ず医師の指導のもとに行うことが大切です。

■運動療法
運動することにより基礎代謝が上がり、運動を継続することでインスリン感受性の増加によるインスリン作用の改善や、
脂肪合成酵素の活性を抑制する効果などが期待できます。
肥満解消には、ウォーキングやランニング、エアロビクスなどの「有酸素運動」がおすすめです。

■行動療法
肥満症の人の場合、食習慣や生活習慣を、太りにくいライフスタイルに作りなおすことが大切です。
普段の生活のどんな行動が肥満につがっているのかを知り、改善するのが行動療法なのです。
具体的には「いつ」「どこで」「何を」「どれだけ」「何をしながら」食べたのかを記録して、自身の食習慣を見直します。

思い当たりませんか?
・お腹が空いていなくても食べてしまう。
・早食いである。
・何かをしながら食事することが多い。
・濃い味付けが好きである。

■薬物療法
食事療法と運動療法で十分な結果が得られない場合、薬物療法を行います。
しかし、現在日本で承認されている薬は使用に厳しい制限があります(BMI35以上、使用期間3ヶ月以内など)
さらに多くの肥満症の患者さんが使える薬の開発がすすめられています。

■外科的療法
さまざまな内科的治療の効果がない場合や、一度減量しても再発を繰り返すなどの重症肥満の患者に対して行われます。
外科的治療は、必要な分量の体重を確実に減少させることができるほか、合併症の治療にも効果があります。
またリバウンドの確率が極めて低いことも大きなポイントの1つです。

肥満症が疑われる方は、まず専門医に相談することから始めましょう。

予防

脂質異常症にならないためには生活習慣が大切になります。すぐには変えられないと思いますが、生活習慣の見直しによる効果は大きいのです。
糖尿病や高血圧のリスクも減らすことができますから是非生活習慣を改めて見ましょう。

具体的には、

食事
1. 1日3食の食事をきちんと摂る
2. 脂っこいものを控える
3. 寝る前には食べない
4. 間食をしない
5. 塩分を控えめに
6. 食べ過ぎないようにする

その他にも、お酒の飲み過ぎや喫煙は控え、十分な睡眠をとることも大事です。
ストレスを溜めないようにして、健康診断もきちんと定期的に受けましょう。