どんな病気?

食べ物にあたったわけでもないのに、下痢を繰り返し、トイレのないところに行くのが不安になる病気。「大事な会議の最中に下痢で苦しんだ」「デートの最中に便意をもよおして恥ずかしい思いをした」など何らかのトラウマ(後遺症)をもっているケースが多く、それらの経験が後遺症となって、トイレが近くにないと不安になったり、お腹が痛くなったりする。排便して腹痛がケロリと治ることもあるが、腸の感覚が過敏になっているため、いつまでも残便感に悩まされる人も多い。几帳面で完ぺき主義の人に多く、腸そのものの病気というよりは、不安神経症の一種とも考えられている。

検査・診断

まず胃腸科、内科を受診し、ほかの病気の可能性がないかをチェックしてもらうことが重要。過敏性大腸症候群と同じような症状の病気に、潰瘍性大腸炎、クローン病、アメーバー赤痢、腸結核などがあり、それぞれ治療法が異なるので、まずは血液検査で炎症がないかどうか、検便で腸からの出血がないかどうかを確認することが大切だ。40代以上の場合は、これに加えて大腸がんをチェックするために内視鏡検査を受けておくと安心。

治療

整腸剤と、腸内の水分をコントロールして便をかたくする薬、腸管の感覚を鈍くさせる薬などが使われる。腹痛を伴う場合には、腸管の痙攣を抑える薬がプラスされる。
精神的な不安が強い場合には、心療内科に紹介されるケースもあり、その場合は、軽い精神安定剤による薬物療法と、カウンセリングが行なわれることが多い。
最初の診察で、深刻な病気ではないことがわかるとホッとして症状が改善されてしまうことも多い。また、ストレスがたまっていることを専門家から指摘され、それを自覚することで改善に向かう人もいる。
過敏性大腸症候群にならないためには、ストレスをためこまず、上手に解消することが大切。また、快便を習慣にするためにも、きちんと朝食をとって排便してから通学、出勤する生活のリズムを整えることも大切だ。