どんな病気?

胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ潰瘍ができた状態。何となく胃の調子が悪い、吐き気がする、胃が痛いなどが典型的な症状だが、慢性の胃潰瘍では無症状の場合も多い。胃の内壁は粘膜で保護されている一方、金属も溶かすほど強力な胃酸が分泌され、食べ物を消化している。ストレスや暴飲暴食などマイナス要因が働いてバランスが崩れると、胃の粘膜が傷つけられ、潰瘍となってしまう。この要因の一つとして、近年注目されているのが、ヘリコバクターピロリという細菌。これに感染すると胃の粘膜に炎症を起こし、潰瘍になることがわかってきた。十二指腸潰瘍の人の約100%、胃潰瘍の人の80~90%がピロリ菌感染者というデータがある。

検査・診断

定期健診では、一般的に胃部レントゲン検査(バリウム検査)が行われているが、胃がんとの鑑別を含め、より確実な検査を行うためには内視鏡検査を受けたほうが賢明。レントゲンでは6~10枚程度の画像しか撮影しないため、たまたま撮影されなかった部分に胃がんがあれば、見落とされてしまう。一方、内視鏡では直接、胃の内部を観察できるため、胃がんの早期発見にもつながる。
ピロリ菌の感染を確認する方法は、内視鏡で組織をとって調べるほかに、血液や尿中の菌に対する抗体を調べる方法、呼気を使って調べる方法がある。

治療

ピロリ菌の感染が確認されたら、除菌を行う。2種類の抗生物質と、1種類の胃酸分泌抑制剤(プロトポンプ阻害剤)を1週間服用するだけの簡単なもの。服用中の副作用として、軟便、味覚異常、肝機能障害などがあるが、治療が終わればなくなるので心配はない。ただし、約1割の人に逆流性食道炎が起こり、そのための治療に長期間を要するケースがある。また、薬剤アレルギーのある人には除菌療法は行えない。 除菌を行わない場合には、従来どおりH2ブロッカーやプロトポンプ阻害剤で治療するが、ピロリ菌を除菌すると薬を服用しなくても再発しないのに対して、これらの薬は長期間のみ続けることが必要になる。