どんな病気?

サイレント・ディジーズ(静かな病気)と言われる骨粗しょう症。
骨全体が弱くなることで骨折しやすくなり、また折れてしまった骨が元に戻るまでに時間がかかるようになる病気です。
骨粗しょう症の患者さんは高齢化社会に伴って増えつつあります。
骨がスカスカになり骨折しやすくなるため、骨折が原因で日常生活に支障をきたし、さらには寝たきりになってしまうということが問題となっています。
男性は女性に比べて骨粗しょう症にはなりにくいのですが、加齢と共にカルシウムの吸収率が低下するため70歳を過ぎると骨粗しょう症になる人の割合が増えてきます。
女性は閉経後、ホルモンバランスが大きく変化するため骨密度が急激に減少することにより骨粗しょう症になりやすくなります。

骨粗しょう症の症状

◎初期 
1. 無症状 自覚症状は全くありません。

◎進行期
1. 疼痛(腰背部痛) 安静時の痛みや不快感、前かがみになると痛む、立ち上がる時や座る時に痛む
2. 骨折 転んだだけで骨折する、背中や腰の痛みで寝ていることが多くなる、身長が縮んだ、背中や腰が曲がってきた
3. 脊椎変形に伴う症状 前かがみの姿勢になることで転倒の頻度が高くなる、腹部膨満感による食欲減退、胸焼け、急に起き上がれない、
長距離の歩行が困難、上を向いて寝られない など。

原因

骨粗しょう症の原因は様々なものがあります。
遺伝によるもの、食事、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣によるものなどがありますが、大きく分けると1つは加齢によるもの、もう1つは病気や薬の影響などが原因で起こるものです。

◎原発性骨粗しょう症(主な原因は加齢)
特定の原因がないものです。閉経を迎えた50~70代の女性に多い骨粗しょう症です。

◎続発性骨粗しょう症
各種内分泌疾患、胃切除、ステロイド製剤の服用など、原因が特定できるものです。

検査・診断

検査には次のようなものがあります。
DXA法 腰椎、大腿骨、全身骨、腕骨、踵骨で骨密度を測定
SXA法 腕、踵の骨で骨密度を測定
MD法 人差し指の骨密度を測定
pQCT法 腕骨で三次元骨密度を測定
QUS法 踵骨を超音波で測定

この他にも血液検査や尿検査などから骨の新陳代謝を調べたりします。
骨密度の基準は一般成人(20~40歳代)の骨密度の平均値から計算されます。
平均値を100%とした場合に現在の数値がどうかを見て骨量が減っているかどうかを診断します。
基準となる平均値の80%以上であれば正常とされ、70~80%は要注意、70%未満の場合は骨粗しょう症とされます。

治療

骨粗しょう症の診断がついた場合、治療は主に次の3点になります。

1. 食事療法 日本人の高齢者は1日最低でも800mg以上のカルシウム摂取が必要です。更年期や老年期の骨密度減少を抑制するために過不足のない栄養素を摂れる食事をしましょう。
2. 運動療法 散歩やウォーキングなどの軽い運動や買い物でこまめに体を動かすことが大事です。屋外に出ることでビタミンDが作られ、カルシウムの体内吸収率をあげることができます。
3. 薬物療法 生活習慣や食習慣の見直しとともに薬による治療も効果的です。
主な治療薬は、活性型ビタミンD3、カルシトニン、エストロゲン、イプリフラボン、ビタミンK2、ビスフォスフォネートなどがあります。
●治療の際は専門医によくご相談ください。

予防

◎食生活のポイント
1. 3度の食事をきちんと摂る
2. たんぱく質、カルシウムを意識して摂る(肉、魚、牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐など)
3. カルシウムの吸収を阻害する食品は避ける(ほうれん草より小松菜が良い)
4. 魚などの骨はお酢を使って調理(カルシウムの吸収が高まる)
5. スキムミルクを利用する(カルシウムを効率良く摂取)
6. 無理なダイエットはしない
7. コーヒーなどの摂りすぎに注意する。タバコは骨粗しょう症の原因の一つなので禁煙する。

◎運動のポイント
1. 適正な体重の維持 
2. ウォーキングやジョギング、エアロビクス、階段の上り下りなど
3. 日光に当たる(ビタミンDが作られる)