どんな病気?

およそ100人に1人がかかると言われている病気です。
幻聴、幻覚、妄想や異常思考があり、仕事や学業などに著しい支障をきたします。
特に幻聴や妄想では被害者意識を感じることが多く周囲に理解してもらうことが難しい病気です。以前は「精神分裂病」と呼ばれ、「不治の病」というイメージが強くありましたが今では薬物療法と本人、家族の協力などにより多くの方が回復できるようになってきました。初発患者の約半数は完全に回復しています。しかし、発症年齢が低い場合は多少不可解な言動をしていても子供にはよくあることとして見逃されがちで発見が遅れることがあります。

統合失調症の段階
●急性期
 発症直後で興奮が激しい時期。幻覚、幻聴、妄想などの症状がみられる。
●消耗期
 体力が落ちている時期。急性期に見られた症状は鎮まるが無気力、落ち込むなどの症状がみられる。
●回復期
 少しずつ社会性を取り戻していく時期。

統合失調症には陽性と陰性の症状があります。

■陽性症状
幻覚、幻聴、妄想、思考の飛躍、異常思考、集中力の低下、誰かに操られているという感覚

■陰性症状
感情の平板化、うつ状態、社会性の低下

幻聴や妄想は被害者意識を感じるものが多く見られ、周りの人が皆自分の悪口を言っているのではないか?盗聴されているのではないか?自分の考えていることは周りの人に筒抜けなのではないか?などといったものがあります。

原因

今のところはっきりとした原因はわかっていません。遺伝的要因、環境その他の要因、脳内の伝達物質などの幾つかの要因が重なっていると考えられています。
進学、就職、独立、結婚などの人生における幾つかの大きな変化が「きっかけ」となると言われていますが、それらはあくまできっかけであって「原因」ではないと考えられています。

検査・診断

統合失調症の診断は主に問診が中心です。診断に用いられるのはDMS(精神障害の診断と統計の手引き)です。これはアメリカの精神医学会が発行しているものです。

DSMによる診断基準(次のうち2つもしくはそれ以上)
A. 妄想・幻覚・まとまりのない会話・ひどくまとまりのない行動や緊張病生の行動・陰性症状、感情の平板化、思考力の低下、意欲の欠如
B. 社会的または職業的機能の低下
C. なんらかの症状が6ヶ月以上続いている
D. 他の疾患や薬物による症状ではないこと
注:妄想が奇異なものである場合や幻聴で2つ以上の声が互いに会話している場合などでは基準Aの症状を1つ満たすだけで良い。

また、診断の際には本人以外に家族や友人などからも話を聞く場合があります。

治療

入院治療、通院治療、リハビリテーションなどがあります。
入院については本人が病気の自覚に乏しく、服薬や静養などの治療に必要な約束を守ることができない場合などになります。
いずれの場合も薬物療法は統合失調症の治療の基本になります。主に内服薬ですが稀に注射薬を用います。

統合失調症の薬物療法

・抗精神病薬 幻覚や幻聴、妄想などを抑えます。
・抗不安薬 不安や緊張を緩和します。
・睡眠薬 睡眠の補助をします。

以上は症状の状態に応じて組み合わせられます。薬には副作用が現れる場合があります。(舌のもつれ、手の震え、口乾、便秘、排尿障害など)その場合は医師に相談しましょう。また、症状が改善された場合も自己判断で薬の服用を中止してはいけません。病気の悪化を招くことがあります。

統合失調症のリハビリテーション

統合失調は回復期になるとリハビリテーションを行う場合があります。
主なリハビリテーションには、作業療法、ソーシャルスキルトレーニング、社会生活技能訓練などがあります。実施は主に病院や診療所、保健所などで行われます。

作業療法 
他の患者さんと一緒に、レクリエーションなどの共同作業を行います。

ソーシャルスキルトレーニング・社会生活技能訓練
認知行動療法の一種です。他の患者さんと一緒に社会生活のロールプレイングを行います。
●治療にあたっては必ず専門医(精神科・心療内科など)にご相談ください。