どんな病気?

肌に湿疹やかゆみ、赤みを帯びる、乾燥するなどの症状が現れるアトピー性皮膚炎。激しいかゆみに襲われ、患部を掻きむしって症状を悪化させてしまったり、あまりの痒さで夜も寝られないなど深刻な状況を引き起こすこともあります。皮膚の変色や荒れに悩んでいる方も多く、また年齢によっても症状が異なります。

主な症状

1. 乳児期 数ヶ月にわたり顔や頭に赤いぶつぶつができる。黄色い発疹が出る。
2. 幼児・小児期 皮膚の乾燥、ザラザラ。手足の関節の内側に発疹が出る。耳の縁や耳たぶが切れる。とびひや水いぼなどの合併症を起こしやすい。
3. 青年期・成人期 皮膚の乾燥が進む。腕や足に痒疹(ようしん)ができる。顔に赤みが出る。

●アトピー性皮膚炎は慢性的な湿疹が続き、治りにくいという特徴があります。
●皮膚の乾燥によりバリア機能が低下。外からの刺激や異物の侵入に弱くなりかゆみが生じます。皮膚を掻いてしまうので症状を悪化させてしまう。

原因

正確な原因は特定できていません。多くの場合、食物やダニ、ハウスダストによるアレルギーや生活習慣、ストレスが原因ではないかと言われています。

◎アレルギーについて

体内に異物が侵入した場合に作られる「抗体」。この「抗体」は再度異物が侵入してきた場合に異物を攻撃する免疫という役割を果たしています。
ところが、ある特定の物質に対してこの免疫機能が過剰に反応してしまうと体に様々な症状が起きてきます。これをアレルギー反応といい、アレルギーを起こす原因物質をアレルゲンと呼びます。かゆみの元になる物質を出し、皮膚炎を引き起こすものにigE抗体があります。

◎ストレスについて

アトピー性皮膚炎はストレスが引き金になっている場合もあります。仕事や人間関係などの悩みが突然アトピー性皮膚炎の症状を悪化させたりすることがあるのです。また、アトピー性皮膚炎であるという事自体がストレスになっている場合もあります。

検査・診断

アトピー性皮膚炎の診断基準は日本皮膚科学会が診断基準を設けています。

1. そう痒(よう)、かゆみがある
2. 特徴的皮疹と分布 皮膚にできた発疹の事を指す
3. 慢性・反復性経過 慢性:乳児は2ヶ月以上、乳児以外は6ヶ月以上症状が続いている
●この3項目を満たすものをアトピー性皮膚炎と呼びます。

治療

アトピー性皮膚炎の治療には主に外用薬と内服薬が使用されます。並行して食生活や生活習慣の改善などに取り組みます。

●外用薬

代表的な外用薬はステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)です。科学的に合成されたホルモンですが、もともと人の体内にあるものです。過剰な免疫反応を抑えます。副作用もありますが医師の指示に従って正しく使用することで炎症を抑えることができる優れた薬です。

●内服薬

アトピーによる激しいかゆみをとめるために使用します。内服薬には抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を使用することが一般的です。夜眠れない場合には睡眠導入剤などが用いられます。

△補助的に漢方薬を使用することもありますが、副作用もあるため必ず専門医の処方を受けてください。

●食生活の改善
食物アレルギーもアトピー性皮膚炎の原因の一つと考えられています。
自身のアレルゲンを調べ(卵、小麦、牛乳、大豆など)アレルギー反応を起こさないように食事を工夫しましょう。

●生活習慣の改善
生活習慣の見直しにより劇的に症状が改善することがあります。
a. 定期的にお風呂やシャワーを使い皮膚を清潔に保つ。
b. 部屋をこまめに清掃する。
c. 適度な室温と湿度を保つ環境を作る。
d. バランスのとれた食事をとる。暴飲暴食は避ける。
e. 規則正しい生活を心がける。
f. 皮膚を刺激しない衣服を着用する。
g. 爪を短く切り、皮膚を掻くことからのダメージを小さくする。

●カウンセリング
診察やカウンセリングを通して医師やカウンセラーに悩みやストレスについて話し合えるようにすることは大切です。
体と心、両面からの治療を進めることで効果的な治療が期待できます。

◎治療の際は必ず専門医(皮膚科)を受診してください。