どんな病気?

別名STD(Sexually Transmitted Diseases)と言われる性感染症。
これは性行為や性交類似行為により感染する病気の総称です。
色々なものがあり、症状も様々で自覚症状がないものも多く、気づかないうちに病が進行しパートナーにもうつしてしまうことがあります。

最近は若い人たちの間で性感染症が増えています。
感染に気づいても受診することをためらったり、誰にも言えずに1人で悩んだりして症状をさらに悪化させてしまうことも多くなっています。

特に10代から20代の若い世代ではその傾向が強く、予防に関する正しい知識と自分の体を大切に扱うことを改めて学ばなければいけない時代になってきています。
誰もがかかる可能性のある病気として是非、正しい知識を持っていたいものです。

原因

1. 淋菌感染症…女性は感染に気づきにくい。症状が進行すると黄色いおりものが出たり、尿に膿が混じったりする。男性の場合は尿道にかゆみや痛みを感じ、性器から膿が出る。症状が進行すると、尿道狭窄、精巣上体炎、不妊症の原因となる。眼などの粘膜にも感染する場合がある。

2. 梅毒…何年もかけて症状が進行する。最初は細菌が入った箇所が腫れて潰瘍や赤いしこりができ、その後全身の皮膚に症状が出て、内臓、骨などにも病気が進み、最終的に心臓や血管、脳などの中枢神経にも障害が出る。免疫ができないため何回でも感染する。

3. 性器ヘルペスウイルス感染症…かゆみや痛みを伴う小さな水ぶくれができる。排尿困難、歩行困難をきたすこともある。1度感染するとウイルスが体内に潜伏するため免疫力が低下した場合に再発しやすい。

4. 性器クラミジア感染症…女性の場合は感染に気づきにくい。進行すると排尿時の痛み、おりものの増加、生理痛のような痛みなどがある。若い女性に多い。尿道炎、卵管炎、不妊症の原因にもなる。男性の場合は排尿時に違和感や痛みを覚えたり、性器から膿が出たりする。進行すると尿道炎、精巣上体炎、不妊症などの原因になる。

5. 尖圭コンジローマ…性器に小さく尖ったイボができるがかゆみや痛みはない。イボが集まるとカリフラワー状になることもある。必ずしもイボができるとは限らない。放っておくと陰茎がん、子宮頸がんの原因となる。

6. トリコモナス症…女性の場合、かゆみや痛みを感じたり、性器が赤くただれたりする。悪臭を伴う変色したおりものが大量に出るなどの症状が出る。男性の場合は排尿時の痛み程度であまり症状が出ないためパートナーにうつす危険がある。原虫が原因であるためタオルやシーツ、衣類からも感染する。

7. 性器カンジダ症…女性の場合は性器に強いかゆみを感じたり、おりものがカッテージチーズ状になったりする。男性の場合はかゆみを感じる程度で尿道炎になったりする。抵抗力が低下すると再発し、性行為以外でも感染することがある。

8. エイズ・HIV(後天性免疫不全症候群)感染症…免疫力が低下する。強い疲労感、下痢、発熱、体重減少などの症状を呈し、進行すると健康であれば問題のないウイルスや細菌、カビなどの病原体に対して抵抗ができなくなる。完全な治療法はまだ発見されていない。

9. ケジラミ症…強いかゆみを感じる。寄生虫が原因のため、タオルやシーツ、衣類からも感染する。
潜伏期間中や発症後も自覚症状があまりない場合、知らぬ間にパートナーに病気をうつしてしまう危険性があります。さらに、多くの性感染症は感染するとHIV感染の可能性が高くなります。

検査・診断

性感染症の原因には細菌やウイルス、原虫などがあります。
それらが性行為や性交類似行為の際、相手の粘膜や皮膚などに侵入することで感染します。感染経路として最も多いものは性行為や成功類似行為によるものです。他には輸血など血液による感染や母親から胎児への血液を介しての感染などがあります。
性感染症が増加している原因には性の低年齢化や性行為の多様化、性の知識や感染症の知識の不足、また性風俗産業の発達などがあります。さらにはパートナーの過去のパートナーが性感染症患者であった場合、その影響は計り知れません。知らぬ間に感染者を増やしてしまう危険が高く、その代償は大きくなります。知識や適切な対処の仕方をきちんと学んでおくことが大変重要です。

性感染症の検査と診断

性感染症の場合、診断は主に尿検査、分泌物、おりものなどを採取して行います。また、血液検査や感染部位の確認によって診断されます。現在ではほとんどの性感染症は適切な治療を施せば治すことができます。その際、最も大事なことは、検査はパートナーと一緒に受けるということです。そうしないとパートナー間で感染を繰り返してしまうため、完全に治療することが難しくなってしまいます。是非一緒に受診するようにしましょう。性感染症は放っておくと症状が進行し、取り返しがつかなくなることもあります。
受診による個人のプライバシーは適切に守られるので恥ずかしがらずに受診することが大事です。最近では匿名で検査を受診できるところもあるので、症状を感じたらすぐに検査を受けるようにしましょう。

治療

治療にはコンドームの使用や定期的な検査、薬による治療などがあります。性感染症の治療は医師から完治と言われるまで続けることが重要です。

薬物療法

飲み薬とその効果は主に次のようなものがあります。
1. 抗生物質…性器クラミジア感染症、淋菌感染症、梅毒
2. 抗ウイルス剤 …性器ヘルペスウイルス感染症
3. 抗菌剤…性器クラミジア感染症、淋菌感染症、性器カンジダ症
4. 抗原虫剤…トリコモナス症
5. 抗炎症剤…性器ヘルペスウイルス感染症
6. 鎮痛剤…性器ヘルペスウイルス感染症

尖圭コンジローマや性器カンジダ症は塗り薬を使うこともあります。
必ず専門医に相談しましょう。性感染症の種類や症状によって服用する薬は異なるため、必ず医師の指導の通りに服用するようにしてください。

予防

予防のためには、まず、性行為の際にコンドームを使用することです。コンドームを正しく使うことで原因となる細菌やウイルス、原虫などを含んだ分泌液が粘膜に侵入することを防げます。また、正しい性感染症の知識を知っておくことが大切です。
他にも体を清潔にすることや身につけるもの、寝具などを清潔にすることなどに気をつけたいものです。