どんな病気?

硬い便を排便したときなどに、肛門の粘膜が切れてしまった状態で、正式名称は「裂肛」。排便のたびに激痛が走り、排便のあとにも痛みが残る。排便後、おしりを拭いたときに、紙に血がつくこともある。主な原因は便秘だが、激しい下痢のために肛門に負担がかかって切れることもある。軽い切れ痔の場合は、自然に治ることが多い。市販の軟膏を使って1週間ほどたっても軽快しなければ医療機関へ。
深い切れ痔を放置すると、痛みのためにトイレを我慢して便秘になり、さらに切れ痔になるという悪循環の原因に。慢性化して潰瘍ができたり、肛門狭窄を起こして細い便しか出せなくなる場合もある。さらに、切れ痔を何度も繰り返すと、肛門ポリープができたり、肛門の出口の近くに皮膚のたるみ(見張りイボ)ができることもある。
また、肛門からの出血は大腸がんの症状とも似ているため、自分で痔と決め付けずに、早めに医療機関を受診したほうがよい。

検査・診断

受診は大腸・肛門科へ。問診で症状や便秘があるかどうかなどの質問に答えたあと、直腸指診(肛門に指を挿入して診察する)を受ける。この間、シムスの体位(横向きに寝て、軽く両足を曲げた状態)をとり、ショーツを少し下げる。医師が人指し指に麻酔薬のゼリーをつけて挿入するため、リラックスして受ければ痛まなくてすむ。次に、肛門鏡検査で、7㎝ほどの長さの肛門鏡を、指診と同じように肛門に挿入し、肛門から直腸の下部までを診察すると、切れ痔の程度が肉眼でチェックできる。
なお、大腸がん、大腸ポリープなど他の病気が疑われる場合には、後日、内視鏡検査を行う。

治療

軽い切れ痔は自然に治ることが多いが、痛みがひどい場合は腫れや出血、痛みを抑える坐薬や軟膏を使う。同時に朝食を欠かさず、3食規則正しく食べる、食物繊維をたっぷりとる、トイレは我慢せずに行く、体を冷やさない、適度な運動を心がける、など、食事や生活習慣を改善し、便通を整えることも大切。便通異常がある場合には、便通を整える薬を併用する。