どんな病気?

肛門の歯状線のくぼみに便の中のばい菌が感染して化膿し、膿がお尻の筋肉をつきぬけて外側に出てきた状態。前段階として、肛門周囲に膿をもった潰瘍ができて、ひどく痛み、高熱が出ることもある。進行すると、膿がお尻の皮膚を貫通して外側に排出され、下着を汚すようになり、直腸と外側を結ぶトンネルが開通してしまう。主な原因は下痢。便が柔らかいと歯状線のくぼみに便が入りやすいため。正式には「痔ろう」という。

検査・診断

受診は大腸・肛門科へ。問診で症状や下痢があるかどうかなどの質問に答えたあと、直腸指診(肛門に指を挿入して診察する)を受ける。この間、シムスの体位(横向きに寝て、軽く両足を曲げた状態)をとり、ショーツを少し下げる。医師が人指し指に麻酔薬のゼリーをつけて挿入するため、リラックスして受ければ痛まなくてすむ。次に、肛門鏡検査で、7㎝ほどの長さの肛門鏡を、指診と同じように肛門に挿入し、肛門から直腸の下部までを診察すると、あな痔の状態が肉眼でチェックできる。
なお、大腸がん、大腸ポリープなど他の病気が疑われる場合には、後日、内視鏡検査を行う。

治療

あな痔の前段階の肛門周囲膿瘍は、お尻の痛みや腫れ、発熱など激しい症状が現れるため、早めの受診を。膿がたまっている部分を切開し、膿を外に出したあと、抗生物質と鎮痛剤で症状を落ち着かせる。あな痔は薬物療法では完治しないため、膿の通り道となるトンネルを取り除く手術を受けることが必要。かつては、肛門の全周囲を切除していたため、肛門が狭くなったり、ゆるくなったりなどの後遺症が問題になったが、最近では正常な部分を極力残すようになったため、術後の後遺症に悩まされることもなくなっている。