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2.対象疾患の詳細説明
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白血病・骨髄異形成症候群は、なんらかの原因によって造血幹細胞が異常化する疾患で、異常化幹細胞から生じるクローン性血球によって、無効造血、異形成、機能異常、分化異常、過剰増殖などを起こします。骨髄異形成症候群に対しては血球減少の改善と異常細胞の抑制のために、輸血療法のほか免疫抑制療法や化学療法が行われます。白血病は異常細胞の撲滅もしくは減少のために化学療法が行われます。抗がん剤の開発によりこれらの方法による治療成績はここ10年の間に改善してきてはいますが、たとえ寛解状態になったとしても病気の最初の状態によっては(例えば、異常細胞の性質や、最初の抗癌剤に対する反応性により判断される)、再発のリスクは一定の確率で存在します。
そこで造血幹細胞移植を行うことが治療選択肢としてあげられるようになりました。造血幹細胞異常症であるならば、正常な造血幹細胞を置き換えようというわけです。その際、大量の抗癌剤を使用したり全身に放射線を照射したりすることによって、体内の悪性細胞を根絶やしにする必要があると考えられていました。ですから従来は、治療成績を改善するために前処置を強化すること(抗がん剤の量や種類を増やしたり、放射線を強くしたりすること)がひたすら試みられてきました。
患者本人以外のドナーから造血幹細胞の提供を受ける同種移植術は難治性造血器疾患にとって有効な治療法です。反面、強力な前処置による副作用や、移植片対宿主病 (GVHD)など、多くの合併症も伴う治療法でもあります。特に患者側の年齢が50歳を超える場合や臓器障害がある場合には、従来の方法では抗がん剤や放射線療法が強力すぎるため、合併症の頻度と重症度がはるかに強くなり長期生存率が著しく低下してしまいます。このため、高齢の方や臓器障害のある方には一般には行われていませんでした。
しかし、最近に至って、実際には抗がん剤や放射線だけが悪性細胞を殺しているだけでなく、むしろドナー由来のリンパ球、その中でもTリンパ球が免疫力によって悪性細胞を殺していることがわかりました。このため超大量の抗がん剤療法や放射線照射を省いても治療ができる可能性が出てきたのです。ドナー細胞(造血幹細胞とリンパ球)が免疫力を発揮しやすいように、いかにうまく「生着」させられるかが、移植成功の重要なカギと考えられるようになったのです。
現在では、骨髄の中の造血幹細胞を破壊してしまうほど強い移植前処置を行うのではなく、比較的臓器毒性や危険性が少ない、抗腫瘍効果がやや抑えられた前処置を行うだけでも、ドナー由来の細胞がホストの体内に生着するには充分にとされています。この方法を、従来の方法と対比させて「ミニ移植」と呼びます。この方法であれば、高齢の方や臓器障害のある方においても、合併症を少なくして移植術を行う可能性が高まります。既に造血幹細胞移植の分野で有名な海外の複数の病院や日本国内の一部の病院でこのような移植術を行い、その成績についてもある程度満足できるものが報告されています。 |
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