御担当医 御机下
前略
お忙しいところ、失礼いたします。
貴科にて御診療いただいている患者さまが、現在、高上班班研究として施行中のAML、ALL、CML、MDSに対するミニ移植に関する臨床試験にご関心をお持ちになり、当科外来受診をご希望されておいでとのことです。お手数ではございますが、こちらの患者様について病歴・検査結果など御連絡いただきけますと幸甚でございます。また、外来受診に際しましては、病歴経過・検査結果・画像資料などを貸し出しいただけますと幸いです。
高上班の臨床研究につきましては別紙にてご紹介させていただきましたので、ご参照ください。また、治療としてのミニ移植が適応と思われる患者さまにつきましては、当方までご相談いただければ、班研究に該当しない場合であっても個別に対応させていただくようにつとめております。
当科におきましては、転院についてのお問い合わせ・患者様のセカンドオピニオンに関しましては、必ず主治医の先生方からの事前に御連絡いただけますようお願いしております。白血病の治療方針などに関しての全般的なセカンドオピニオンやまた事前連絡なしでの外来受診では、なかなかご希望に添えない場合があり、相談内容に対して充分なお時間を割けない可能性もございます。この点につきどうぞ御理解いただき、当科受診について主治医の先生より、事前にご一報いただけましたら幸甚でございます。
受診等ご不明な点につきましては、お手数ではございますが、国立がんセンター薬物療法部幹細胞移植療法科 高上洋一までお電話にて御連絡いただけますよう、宜しくお願い申し上げます。時間はいつでも結構です。
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国立がんセンター中央病院
薬物療法部幹細胞移植療法室
高上 洋一
03-3547-5201にかけて内線7059 |
【臨床研究】
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「骨髄非破壊的前処置を用いた同種造血幹細胞移植に関する研究〜骨髄非破壊的前処置療法の有用性、ならびに急性GVHDの予防方法に関する検討〜」 |
【研究組織】
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平成13年度厚生科学研究費補助金 (ヒトゲノム・再生医療等研究事業)
「骨髄非破壊的前処置療法を用いた同種造血幹細胞移植の開発」
(高上洋一班長) |
【詳細説明】
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班研究として開始されましたAML、ALL、CML、MDSに対するミニ移植に関する臨床試験についてご案内申し上げます。 |
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本研究の目的は、厳正な医師主導型臨床研究の結果に基づく適応外使用薬剤(塩酸フルダラビン)の承認申請であります。昨今EBMがますます重視されていることより、我が国でも質の高い臨床研究を推し進めていく必要があります。質の高い大規模無作為化比較臨床試験を本邦で行うにあたって、使用する薬剤の造血幹細胞移植における適応を得ることは必須と考えております。本研究は、プロトコール作成の段階から血液内科医、造血幹細胞移植医、生物統計家などと議論を重ね、新GCP基準に準拠した形の科学的にデザインされたものとなっております。データ管理に関しましても特定非営利活動法人であります日本臨床研究支援ユニットにおいて行なわれ、従来の臨床研究とは質を異にします。また、塩酸フルダラビンの入手は、本研究に対する製薬企業側からの無償提供という形をとります。 |
●本試験の概要 http://www.crsu.org/ketueki/index.html をご参照ください。
【データセンター識別番号】 HE0101
【プロトコール状況】登録開始日 2001年11月5日 現在登録受付中
【研究タイプ】第II相臨床試験
【背景】
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造血幹細胞移植術は、多くの造血器腫瘍に対する治癒を望み得る治療の一つとなりつつある。しかし本治療法の最大の障害は、graft-versus-host disease(GVHD:移植片対宿主病)、強力術前療法による臓器障害、間質性肺炎、重症感染症などの治療関連合併症が多く発生することである。特に50歳以上の症例や、移植前に既に臓器障害を有する症例では、これらの合併症の頻度と重症度が極めて高くなるため、いかに幹細胞移植が唯一の根治的治療選択であると判っている場合でも、危険性が高いため、本治療法の恩恵が得られるのは、現在では少数の患者に限られている。その後、白血病においては軽度のGVHDが発生した場合のほうが、全く起こらなかった場合に比べて再発率が低下する、いわゆる、移植片対白血病(graft-versus-leukemia: GVL) 効果が分かってきた。さらに、同種移植後に再発した白血病がドナーリンパ球輸注(donor leukocyte infusion: DLI)に反応するという事実が確認され、同種リンパ球を介した抗腫瘍免疫が重要な役割を占めているが示されてきた。
これまで、同種骨髄移植施行直前に行う大量抗癌剤療法や全身放射線照射の意義として、ドナー由来の造血細胞が定着するための骨髄内の空間(niche)作りと免疫抑制が重要と考えられてきたが、最近になって、大量の造血幹細胞の移植や十分な免疫抑制を行うだけで良いとの基礎データが示され、骨髄移植時の治療関連毒性の主原因を回避する方法が示唆されるに至った。臨床的には、強力な免疫抑制効果を有するものの、その他の臓器毒性が少ないリン酸フルダラビンやcladribine(2-chlorodeoxyadenosine)などのプリン誘導体を用いることで、従来の術前療法と比較して治療関連毒性が軽い、 "non-myeloablative"(骨髄非破壊的)な薬剤を用いて同種移植を行う新しい方法、すなわち、"mini-transplantation"(ミニ移植)が導入されるに至った。 |
【目的】
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1. |
ミニ移植の高齢者における有用性(安全性・有効性)の検討。 |
| 2. |
急性GVHD予防に関する2群 (シクロスポリン単剤群 vs シクロスポリン+メソトレキサート併用群) の比較。 |
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本研究において、ミニ移植の有用性が確認された場合、前処置療法に用いたリン酸フルダラビンの輸入販売会社に対して適応症追加申請を要請し、社会への還元を図る。 |
【主要評価項目】
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移植後100日時点での生存、及びドナー型完全キメラの達成
(移植後day 90ア5の時点でdonor由来細胞が90%以上) |
【副次評価項目】
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・移植後1年の生存率および無病生存率
・前処置の毒性(移植後20日以内、付表4参照)
・GVHDの頻度・重症度の検討(付表3参照)
・造血回復までの期間、完全キメラ達成までの期間
・移植後の免疫能回復(CD4/8/19陽性細胞、IgG/A/M定量)
・術前療法に用いる薬剤の薬物動態
・DLIによる移植片拒絶の防止、抗腫瘍効果
・疾患ごとの生存率、無病生存率
(CMLにおいてはbcr/abl mRNAの評価を含む) |
【症例の適格規準】
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本研究の対象は、他の治療では治癒や長期生存の確率が低いような病気や病状であり、同種造血幹細胞移植の適応であるにも関わらず、高齢であるが故に通常の同種造血幹細胞移植の適応にならない患者とする。 |
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● 急性骨髄性・リンパ性白血病(AML・ALL)の第1・第2寛解期
通常の化学療法での治癒が困難と考えられる場合に限る。 |
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● 慢性骨髄性白血病(CML)の第1・第2慢性期
慢性骨髄性白血病についてはヒドロキシウレア等の投与により末梢血白血球数が1万/_l以下にコントロールされていることを条件とする。又、インターフェロンによって細胞遺伝学的完全寛解が得られている症例は除外する。 |
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● 骨髄異形成症候群(MDS)のFAB分類でのRA、RARS、RAEB*
RA、RARSについては好中球500/_l未満あるいは輸血依存性の症例に限定する。RAEBについては抗癌剤を使用することなく3ヶ月以上RAEBの基準を満たす状態にある安定した症例に限る。
*RA=refractory anemia, RARS=RA with ringed sideloblast,
RAEB=RA with excess of blast |
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2. |
仮登録時の患者の年齢が50歳以上70歳未満の者。 |
| 3. |
健康状態が良好であるHLA一致同胞ドナーを有する者。健康状態良好とは以下の疾患を有さないことと定義する。ドナーの年齢上限については、各施設の倫理委員会もしくはそれに準ずる機関の定めた制限に従う。 |
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a. 自己免疫疾患(膠原病を含む)の現有及び既往
b. 静脈血栓症、動脈硬化性疾患の現有
c. 虚血性心疾患、脳血管病変の現有及び既往
d. 悪性腫瘍、過去の抗癌剤の投与歴、過去の放射線治療歴
e. 薬物治療を必要とする高血圧、糖尿病の現有
f. 白血球、ヘモグロビン、血小板値の異常
g.その他主治医が末梢血幹細胞採取に不適当と考える健康状態 |
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ただしドナーから必要量の末梢血幹細胞が得られなかった場合は、仮登録後不適格症例と判断し、解析から除外する |
【除外規準】
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以下に示す重篤な臓器機能障害を持つ者(ドナーも含)は登録時不適格と判断し除外する。 |
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a. ECOGのperformance statusが2以上(付表2参照)
b. 心エコーにて、安静時の心駆出率が50%未満
c. 酸素非投与での動脈血液中酸素飽和度が93%未満
d. 血清クレアチニン値が2.0 mg/dl以上
e. 総ビリルビン値が2.0 mg/dl以上あるいはGOT値が正常上限の4倍以上
f. HIV抗体が陽性
g. 活動性の感染症を有する
h. 前処置療法に用いる薬剤、並びに急性GVHD予防に用いる薬剤に対し過敏症の既往のある患者 |
【試験薬剤】
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リン酸フルダラビン、ブスルファン、シクロスポリン、メソトレキサート |
【症例数と症例集積期間・進捗状況】
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予定症例数:60症例
症例集積期間:約1年
追跡期間:1年
登録症例数 (2002年11月現在) 仮登録:1例、本登録:16例 |
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